扇子のお店 ファンティーク ロゴ

KBS京都ラジオ 桂塩鯛のサークルタウン(2014年3月1日)

昨年に引き続き、今年も桂塩鯛のサークルタウンにゲスト出演させていただきました。
今回はスタジオにお邪魔してお話し出来る事になりました。番組をお聞きいただけなかった方のためにその様子をテキストにしてみましたので、番組の雰囲気をお楽しみ下さい。

塩鯛 塩鯛クラブでございます。京扇子という扇子があります。熟練職人に受け継がれた技に支えられている京都の伝統産業品で身近な製品です。京扇子を日本はもとより世界に紹介しようと様々なチャレンジを行っている方を、今日はスタジオにお招きしていますので、いろいろと話をうかがいたいと思います。
京扇子のプロデュースと京都伝統工芸品を世界に発信しております、株式会社ファンティークの代表取締役 講殿友宏(こうどの ともひろ)さんです。

(挨拶)
講殿 去年も一度電話で出演させていただきまて、お世話になりました。
(ファンティークの歴史について)
塩鯛 京扇子と関わりを持ったきっかけはあったのですか。
講殿 父親が京扇子の仕事を始め、兄がその会社を継いでいて、扇子が家業でした。私はそこで修行させてもらってもらった後、実家の家業とは独立して好きなものをさせてもらいたいと、ファンティークを始めました。
塩鯛 京扇子に関わるいろいろな事をされているわけですね。自分でも作れるのですか。
講殿 一通りできます。京都は扇子職人がたくさんいて普通は、骨だけ、紙だけ、絵付けだけ、…と分業で作るんですが、お客さんからサンプルがすぐに欲しい、短納期で扇子が欲しいという分業では対応できない要望があることから、自分で全部作れるようになったら世界が広がるのでないかと、後年になって勉強し始めて作れるようになりました。
塩鯛 しかし、一長一短にはいかないでしょ。すぐに扇子の職人にはなれないですよ。
柴田 なれないです。(笑)
塩鯛 つくれますか。
柴田 無理ですね。竹を剥ぐところからやらなくちゃいけないんでしょ。
講殿 竹と紙は材料を提供している人から買ってきて、私は絵を付けて、紙を折って、貼る、着けるというところをやっています。
塩鯛 それだって普通はできませんよ。
柴田 ものすごく几帳面にやらないと、ずれちゃったーということになりますよね。
塩鯛 こちらは、持ってきていただいたものなのですが、私は前にお越しいただいた時に「桂塩鯛」と書いた扇子をいただいているんです。
柴田 わーお。
塩鯛 染めているのは、柿渋なんですよね。
講殿 紙の上に柿渋を引いて。
塩鯛 少しインパクトの強い色でございます。
講殿 風合いがあってなかなか渋いというか。
柴田 茶色から黒のグラデーション。
講殿 それに魅せられて、それを専門にやりたいと。
塩鯛 平骨を持ってきていただいているのですが、平骨は私でも使えますから。頂いたものを高座でちょいちょい使わせていただいております。
柴田 おやおや、すごーい。
講殿 高座扇という名前の七寸五分で、骨が15本。親骨が太くてしっかりしていて使いやすいということで私も好きなタイプです。
塩鯛 広い奴があるでしょ。
柴田 はいはい。
塩鯛 あれは高座に向かないんです。ぴたっと閉まる、先が狭まっている奴がいいんでございます。今日、これ、いろんな模様があるんですなー。
講殿 それは銅版画で刷った奴をデザインして、ワンポイントにして、その上に柿渋と羽根。
塩鯛 鳥獣戯画もありますね。
柴田 サッカーしているのと音楽があります。
講殿 現代風におもしろくしたいと思っています。
塩鯛 ちょっと見ない扇子ですね。
柴田 そうなんです。
講殿 私のアピールポイントとしては、ファンティークだけで一から作るということと、普段見る事がない変わった柄のものを作りたいという事でやってます。
(海外活動)
塩鯛 日本国内だけでなく、イタリアで扇子のワークショップを開催するわけですね。
講殿 やっと念願かなって、今月(2014年3月)の13日から10日ほど行ってきます。
柴田 ワークショップって何ですか。
講殿 イタリア居住の日本人の方が日本文化を紹介されていて、書道とか教えておられます。その方達に現地で描いていただいて、それを私が滞在中に扇子にしてお渡しするというワークショップです。
柴田 楽しそう。
講殿 私の場合、一人だけで現場で完結できますから、私が日本で作ったものを持っていって、イタリアで魅せて買ってくださいというのと印象が違うと思うんですよ。だからデザイナーの人とか書道をしている人とコラボレーションできたら楽しいだろうなと企画しました。日本でも大手老舗のお店の人が絵付けをしているのですがその延長版を海外で出来れば楽しんでいただけるだろうと思っています。
塩鯛 これを外国人が見てどう思うんでしょう。言うなれば簡易扇風機ですよね。
講殿 使う習慣はないと思いますね。使うつもりでもっていってもきれいだから飾るという方も多いようです。
塩鯛 なるほど。舞の時に舞う扇子は飾り向きですが、今ここにある35間夏扇子なら普段使えますね。
講殿 使ってくださいということで。
塩鯛 今、海外で日本の文化が見直されていますよね。

講殿 2年前と3年前はパリに行きました。パリの人、日本人に感覚が近いんですかね。日本の文化に非常に理解があって、興味をお持ちの方、好きな方がたくさんいらっしゃって驚きました。
塩鯛 京都とパリは姉妹都市でもありますから。有効の証という道具としても使えそうです。
講殿 文枝さんも向こうで襲名講演されてましたね。
塩鯛 ですから、これ、本当に便利なものですよ。一つ鞄に忍ばせておけば。
柴田 ねー。その人のセンス(扇子)が見えるというか。
塩鯛 おっ、うまいね。
柴田 あっ、かぶってた。全然気づかずに言いましたけど。
(笑い)
講殿 昔の京都の方は、鞄の中に扇子と数珠を持っているのに、関東の方は持たれないのですかという皮肉っぽい話があるくらい鞄に扇子は習慣として残ってます。
塩鯛 この頃のサラリーマン、持ってますね。
柴田 鞄の中に入っている。
塩鯛 よくパタパタやってます。
講殿 震災の時に節電で扇子が見直されたというのがありまして。
塩鯛 団扇となると持ち運ぶのには邪魔になります。
柴田 たためるというのがね。
塩鯛 たたんで忍ばせておけるというのが。
講殿 私なんかも電車の中でわざとパッと開いてやって、見た事無い柄だろ と宣伝したいんですけど、あまり認められないという状況です。
柴田 大丈夫です!見る人が見れば。
講殿 でも、がんばってやります。
塩鯛 たまには、いい扇子だなー と思ってる方もいると思います。
(店舗について)
塩鯛 明日、古川町商店街にお店をオープンされるそうですね。
柴田 すごい。扇子のお店ですか。
講殿 扇子だけじゃなく、いろいろな手作り作家さん、伝統工芸師さんと一緒に。コラボレーションして一緒にやりたいと思っています。
塩鯛 どういうものが品揃えとして出て来るのですか。
講殿 陶器、竹細工、切り絵の方とか。伝統工芸に限らず、この人が作ったとわかるようにしたいと思っています。
塩鯛 古川町商店街のどの当たりですか。
講殿 真ん中を少し南に下がった当たりです。食べ物屋さんで万両さんという有名な店があってその斜め向かいになります。古い町並みの中で正面にオレンジ色の派手な枠を使っています。
柴田 お店の名前は何ですか。
講殿 「京都蜂の巣」です。
柴田 ふふ、かわいいな。
講殿 いろいろな人がブースにわかれているイメージを蜂の巣とダブらせています。
塩鯛 古川町商店街をブラブラしているとわかるわけですね。
講殿 小さいお店ですので見逃されないように看板を出そうと考えています。
塩鯛 京都蜂の巣、皆様よろしくお願いします。これから季節も良くなりますので、平安神宮を散策した人が、帰り道、古川町商店街を通って河原町、京阪四条、祇園四条などに流れて行く途中で立ち寄ってくれるお店になればいいですね。
講殿 そうですね。
塩鯛 あそこは、いい商店街ですから。
柴田 どきどきするー。
(プレゼント)
塩鯛 そして、本日はリスナーの方5名様に扇子をにプレゼントしていただけることになりました。
(締めの挨拶)
塩鯛 それでは、明日の開店、大いに盛り上がっていただきたいと思います。
講殿 冷やかしでもいいですから、どんなことをやっているのかと覗きに来て下さい。
塩鯛 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

登場人物

塩鯛:桂塩鯛
柴田:柴田幸子
講殿:ファンティーク店主の講殿


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