扇子四方山話

扇子 末広


■紙の名称

扇子の「紙」は、その製造が進むにつれて、名称が以下のように変化していきます。
何も描かれていなく、扇面型に切り抜いただけなら、「地紙(じがみ)」。
絵柄が描かれれば、「平地(ひらじ)」。
「折り」がされたものは、「折地(おりじ)」、となります。

「地紙(じがみ)」の多くは白色ですが、あらかじめ色付けされたものもあります。
それは色無地の扇子にもなりますので、その意味では切り抜いた時点で「平地(ひらじ)」と呼んでいいかもしれません。

「折地(おりじ)」になった段階で、左右上下が切り落とされるので、「平地(ひらじ)」よりも一回り小さくなっています。


※お客様にオリジナル扇子のデザインを作成いただく際には、その切り取られる範囲に絵柄がかからないようにお願いをしています。

■地紙(じがみ)

扇子の紙は和紙でできています。
しかし、この和紙は1枚ではなく、何枚かが貼り合わさって「地紙」ができます。
貼り合わさっているために「合わせ地(あわせじ)」とも呼ばれます。

「合わせ地」は3枚又は5枚の和紙が、専用の糊で貼り合わせてあります。
3枚が夏扇子で、5枚が舞扇子などです。
なぜ枚数が奇数かというと、真ん中に紙「芯紙(しんがみ)」があり、その上下に紙を貼り重ねていきます。

その「芯紙」の役割が、扇子にはとても重要です。
「芯紙」は、その上下の紙よりもとても薄くて柔らかい。
「折り」の際に、その「芯紙」は、細い竹串で扇骨が入る通り道が作られる。
すなわち、竹串によって、柔らかい「芯紙(しんがみ)」が裂けていくわけです。
「付け」の作業で、その通り道に、糊をつけた扇骨を付け刺す。
糊が乾けば扇子の完成です。



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